21/08/2026

老人性うつが持つ4つのタイプと特徴

高齢期に発症する老人性うつは、若年層のうつ病とは症状の現れ方が大きく異なる。
一見すると体調不良や認知症のように見えるため周囲が気づきにくいが、医学的には主に4つのタイプに分類される。
まず1つ目は、体の不調が前面に出る身体愁訴タイプである。
本人が憂うつだと訴えることは少なく、代わりに頭痛や腹痛、体の重だるさ、便秘といった身体の症状を強く主張する。
一見するとただの体調不良に見えるため、精神科ではなく内科などを転々とし、発見が遅れるケースが非常に多い。
2つ目は、激しい焦りや落ち着きのなさが目立つ不安焦燥タイプだ。
気分の落ち込みというよりも、イライラしてそわそわ動き回ったり、ささいなことで過度に不安がったりする。
子供のように周囲に依存するような言動が増えることもあり、性格の変化や認知症の周辺症状と誤認されやすい。
3つ目は、現実とはかけ離れた思い込みに支配される微小妄想タイプである。
高齢者のうつが重症化すると、三大妄想と呼ばれる強い思い込みが現れやすい。
十分なお金があるのに破産して路頭に迷うと信じ込む貧困妄想、重大な病気ではないのに不治の病にかかったと言い張る心気妄想などがあり、本人は強い恐怖に苛まれる。
4つ目は、物忘れが激しくなる仮性認知症タイプである。
うつによって脳の機能や意欲が著しく低下し、認知症のように言葉が出なくなったり、記憶力が低下したりする状態を指す。
認知症との最大の違いは、適切な治療を行うことで元の状態に回復する点にある。

このように、老人性うつのサインは心の落ち込みだけとは限らない。
本人の変化を年のせいと片付けず、どのタイプに当てはまるかを観察し、早期に専門医の診察を受けることが重要なのだ。